入居審査に落ちる5つの理由と対策【不動産会社の裏側を宅建士が解説】

入居審査に落ちる5つの理由と対策

この記事でわかること
  • 入居審査に落ちる5つの理由と不動産会社が見ているポイント
  • 属性別(フリーランス・無職・シングルマザー等)の具体的な対策
  • 審査に落ちた後にやるべきこと・再チャレンジの方法

「入居審査に落ちた」「審査が通らないかもしれない」——こうした不安を抱えている方は少なくありません。

実際、入居審査の通過率は約80〜90%と言われています。つまり、10人に1〜2人は審査に落ちているのが現実です。

しかし、落ちる理由はある程度パターンが決まっています。事前に把握して対策すれば、通過率は大きく上がります。

この記事では、賃貸管理の現場で数多くの入居審査に関わってきた筆者が、不動産会社側の視点で審査のリアルな裏側をお伝えします。

この記事を書いた人
宅地建物取引士。東京都内で賃貸管理に従事。入居審査の書類チェックや保証会社とのやり取りを日常的に行っており、「通る人・落ちる人」の違いを現場で見てきました。


目次

入居審査に落ちる5つの理由【不動産会社の裏側】

入居審査で見られるポイントは、大きく分けて5つあります。不動産会社・管理会社・保証会社がそれぞれの視点でチェックしていますが、ここでは現場の目線で「実際に何を見ているか」を正直にお話しします。

1. 収入と家賃のバランスが悪い(目安は手取りの1/3以下)

審査で最も重視されるのは、家賃を安定して払い続けられるかです。

一般的な目安は以下のとおりです。

月収(税込) 審査に通りやすい家賃の上限
20万円 5.5〜6万円
25万円 7〜8万円
30万円 9〜10万円
40万円 12〜13万円

手取りの1/3以下が一つの目安です。ただし、保証会社によっては「家賃は月収の3分の1以内(年収の30〜36分の1)が一般的な目安」という基準を使うところもあります。

現場の本音
正直なところ、収入に対して家賃が高すぎる申込みは、不動産会社の段階で「この物件は難しいかもしれません」とお伝えすることがあります。これは意地悪で言っているのではなく、否認が出てからやり直すと時間をロスしてしまうからです。最初から家賃を下げた物件を並行して探しておくと、結果的にスムーズに進むことが多いです。

2. 過去の滞納歴・信用情報に傷がある

保証会社の審査では、過去の家賃滞納歴やクレジットカードの事故情報がチェックされます。

具体的に見られるのは以下のような情報です。

  • 家賃の滞納歴:同じ保証会社グループを利用していた場合、過去の滞納が記録に残っている
  • クレジットカードの延滞・債務整理:信販系の保証会社(オリコ、ジャックスなど)はCIC(クレジット系の信用情報機関)・JICC(消費者金融系の信用情報機関)の信用情報を照会する
  • 携帯電話料金の滞納:端末の分割払いが信用情報に登録されているため、滞納すると「ブラック」扱いになる。実務上、ご本人が気づいていないケースが意外と多い

知っておくべきポイント
すべての保証会社が信用情報を見るわけではありません。独立系の保証会社(フォーシーズ、日本セーフティーなど)は信用情報を照会しないため、過去にクレジット事故がある方でも通る可能性があります。

3. 雇用形態が不安定と判断された

正社員>契約社員>派遣社員>アルバイト>フリーランス>無職

残念ながら、審査ではこの順番で「安定性」が判断される傾向にあります。

特に注意が必要なケースは以下のとおりです。

  • 勤続年数が1年未満:転職直後は「すぐ辞めるのでは」と見られやすい
  • 勤務先が小規模・個人事業:会社の規模も見られることがある
  • 在籍確認が取れない:勤務先に電話して在籍が確認できないと否認されるケースも

ただし、雇用形態だけで一律に落とされるわけではありません。たとえば、同じ職場でアルバイトを3年以上続けている方は、勤続1年未満の正社員より安定していると評価されることもあります。現場では「雇用形態」よりも「継続性」を重視している印象です。

4. 連帯保証人が弱い

保証会社を利用する場合でも、物件によっては連帯保証人が別途必要なケースがあります。

連帯保証人として「弱い」と判断されやすいのは以下のケースです。

  • 年金生活の高齢者:収入が少ないと判断される
  • 海外在住の親族:万が一の際に連絡が取りにくい
  • 収入が低い・不安定な方:保証能力が足りないと見なされる
  • 本人との関係が遠い:友人や知人は認められないことが多い

最近の傾向
近年は「保証会社加入のみでOK」という物件が多く、近年は保証会社のみで契約できる物件が増えています。連帯保証人を立てられない方は、保証会社のみで契約できる物件を選ぶのがおすすめです。

5. 申込み時の印象・態度

意外に見落とされがちですが、不動産会社での態度や印象も審査に影響します。

管理会社や大家さんは「この人に貸して大丈夫か」を総合的に判断します。不動産会社の担当者から管理会社へ申込みを出す際に、来店時の印象がコメントとして添えられることもあります。

審査に影響を与えるおそれのある行動には、以下のようなものがあります。

  • 内見時に横柄な態度を取る
  • 書類の不備が多い、提出が遅い
  • 電話に出ない、折り返しがない
  • 虚偽の申告をする(年収や勤務先を偽る)

特に虚偽申告は発覚した時点で即否認されます。実際に、年収を高く申告した方が保証会社の審査段階で矛盾を指摘され、その場で否認になったケースを何度か見ています。正直に申告した上で、通る方法を一緒に考えるのが最善です。


審査に通りにくい人の属性別対策

「自分の属性では審査に通らないのでは」と心配な方へ、属性別の具体的な対策を解説します。

フリーランス・個人事業主 → 確定申告書+預貯金審査

フリーランスや個人事業主が審査で不利になりやすい理由は、収入の安定性を証明しにくいからです。

効果的な対策

  • 確定申告書(直近2〜3期分)を提出する:安定した収入があることを客観的に示せる
  • 預貯金審査を活用する:通帳のコピーや残高証明書を提出し、家賃の支払い能力を証明する(目安は家賃2年分以上の残高)
  • 収入証明書の代わりに取引先との契約書を見せる:継続的な取引があることを示す

現場からのアドバイス
フリーランスの方は「確定申告書の所得が低い」ケースが多いです。節税のために経費を多く計上していると、審査上の収入が低く見られます。「年商は十分あるのに審査に落ちた」という相談は現場でもよくあります。引越しを考えているなら、申告の翌年に審査を受けるタイミングも考慮しましょう。

転職直後 → 内定通知書で対応

転職直後は勤続年数が短いため、審査で不利になることがあります。

効果的な対策

  • 内定通知書を提出する:転職先が決まっていることと年収を証明できる
  • 雇用契約書を提出する:雇用条件が明確なら審査は通りやすい
  • 前職の源泉徴収票も合わせて提出する:これまでの収入実績を示す

転職先が上場企業や公務員であれば、むしろ好印象になるケースもあります。

アルバイト・派遣 → 保証会社の選択がカギ

アルバイトや派遣社員でも、審査に通ることは十分可能です。

効果的な対策

  • 審査基準の緩い保証会社を利用する:独立系保証会社は雇用形態に比較的寛容
  • 収入に見合った家賃の物件を選ぶ:手取りの1/4程度に抑えると安心
  • 勤続年数が長いことをアピール:同じ職場で1年以上働いていれば安定性の証明になる
  • 親族の連帯保証人を付ける:収入のある親族を保証人にできれば通過率が上がる

無職 → 預貯金審査・代理契約

現在無職の方は最も審査が厳しくなりますが、方法がないわけではありません。

効果的な対策

  • 預貯金審査:十分な貯蓄(目安は家賃2年分=家賃×24ヶ月分以上)があれば審査に通る物件もある
  • 代理契約:収入のある親族に契約者になってもらい、自分は入居者として住む
  • 内定先がある場合:内定通知書を提出すれば「就職予定」として審査可能
  • 生活保護受給者:自治体の住宅扶助制度を利用できる物件を探す

注意点
代理契約は物件によって可否が異なります。事前に不動産会社に「代理契約は可能ですか」と確認しましょう。

シングルマザー → 自治体支援+審査が緩い保証会社

シングルマザーの方は収入面で不利に見られがちですが、使える制度や対策は多いです。

効果的な対策

  • 自治体の家賃補助制度を利用する:自治体によっては月額数万円の家賃補助がある
  • 母子家庭向けの住宅支援:公営住宅や都営住宅の優先枠を活用する
  • 児童扶養手当を収入として申告する:保証会社によっては収入に算入してもらえる
  • 審査が緩い保証会社を利用する:独立系保証会社は属性に寛容な傾向がある
  • 親族の連帯保証人を付ける:親など収入のある親族を保証人にできると有利

過去にブラックリスト → 独自審査の保証会社を選ぶ

過去に債務整理や長期延滞をした「いわゆるブラック」の方は、保証会社の選び方が最も重要です。

保証会社の種類と審査基準の違い

保証会社の種類 信用情報の照会 審査の厳しさ 代表的な会社
信販系 あり 厳しい傾向 オリコ、ジャックス、アプラス
LICC系(協会系) 家賃滞納歴を共有 中程度 全保連、日本賃貸保証(JID)
独立系 なし 比較的緩い フォーシーズ、日本セーフティー、Casa

効果的な対策

  • 独立系の保証会社を使う物件を選ぶ:信用情報を見ないため、過去のクレジット事故は影響しない
  • 不動産会社に正直に伝える:「信販系の保証会社だと厳しいかもしれません」と事前に伝えれば、独立系で審査してくれる物件を提案してもらえる
  • 信用情報の回復を待つ:延滞の記録は完済から約5年で消える(自己破産はおおむね5〜7年(CIC・JICCは5年、KSCは7年))

現場の本音
「ブラックリストだからほぼ確実に借りられない」ということはありません。不動産会社に正直に状況を伝えてもらえれば、通りやすい物件・保証会社を一緒に探せます。隠されると、信販系の保証会社で審査をかけてしまい、結果的に時間をロスしてしまうことがあります。


入居審査の流れと期間

「審査ってどんな流れで進むの?」という方のために、一般的な入居審査の流れを解説します。

審査にかかる日数(通常2〜7日)

入居審査にかかる期間の目安は以下のとおりです。

審査主体 かかる日数 内容
保証会社の審査 1〜3日 信用情報・収入・滞納歴のチェック
管理会社の審査 1〜3日 申込み内容の確認、物件との適合性
大家さんの最終確認 即日〜2日 最終的な入居可否の判断
合計 2〜7日 繁忙期はさらに長くなることも

繁忙期(1〜3月)は申込みが集中するため、1週間〜10日かかることもあります。

在籍確認の電話はある?

保証会社によっては、勤務先への在籍確認の電話があります。

在籍確認は「○○さんはいらっしゃいますか」と簡単に確認するだけで、賃貸の審査であることは伝えません。個人名で電話がかかってくるだけなので、周囲に知られる心配は基本的にありません。ただし、以下の点に注意してください。

  • 勤務先の電話番号が間違っている・つながらないと審査が止まる
  • 個人事業主の場合、固定電話がないと在籍確認が取れずに不利になることがある
  • 在籍確認の電話に備えて、職場に「電話が来るかもしれない」と伝えておくとスムーズ

審査結果の連絡が遅い=落ちた?

審査結果の連絡が遅いからといって、必ずしも落ちたわけではありません。

連絡が遅くなる主な理由

  • 繁忙期で保証会社の処理が追いついていない
  • 書類の不備があり、追加書類の提出待ち
  • 大家さんの確認に時間がかかっている
  • 在籍確認が取れていない

目安として
3営業日経っても連絡がない場合は、不動産会社に状況を問い合わせてみましょう。「まだ結果が出ていないのですが、状況を教えていただけますか」と聞けば、担当者が保証会社に確認してくれます。管理会社の立場からすると、こうした問い合わせは迷惑ではありません。むしろ、連絡への反応が早い方は審査でも好印象です。


審査に落ちた後にやるべきこと

審査に落ちてしまっても、諦める必要はありません。正しい対策を取れば、次は通る可能性が十分にあります。

別の保証会社で再チャレンジ

入居審査に落ちた場合、同じ物件でも保証会社を変えれば通ることがあります。

  • 信販系で落ちた → 独立系で再審査
  • LICC系で落ちた → 独立系で再審査

不動産会社に「別の保証会社で審査できませんか」と相談してみましょう。複数の保証会社と提携している管理会社であれば、対応してもらえることが多いです。管理会社としても空室を埋めたい気持ちは同じなので、「なんとか通せないか」と一緒に考えてくれるケースがほとんどです。

ただし、同じ保証会社への再審査は基本的にNGです。一度落ちた記録が残っているため、同じ保証会社で別の物件に申し込んでも落ちる可能性が高くなります。

審査が通りやすい物件の特徴

物件選びを変えるだけで、審査の通過率は大きく変わります。

審査が通りやすい物件の特徴

  • 個人オーナーの物件:大手管理会社より審査基準が柔軟なことが多い
  • 築年数が古い物件:空室期間が長い物件ほどオーナーが審査を柔軟にする傾向がある
  • 家賃が相場より安い物件:収入に対する家賃比率が下がるため通りやすい
  • 保証会社が独立系の物件:信用情報を見ないため、過去の事故歴があっても通りやすい
  • 不動産会社が自社管理している物件:審査の融通が利きやすい

不動産屋を変えるのも手

同じ物件でも、申込みを出す不動産会社を変えると結果が変わることがあります。

不動産会社によって提携している保証会社が異なりますし、担当者が管理会社に対して「この方は大丈夫です」と推してくれるかどうかも影響します。現場の実感として、担当者の「推し」があるかないかで結果が変わることは実際にあります。

審査に不安がある方は、複数の保証会社と提携している不動産会社を選ぶと、1社で落ちても別の保証会社で再審査してもらえる可能性があります。

審査に不安がある方へ
物件探しの段階から「審査に通りやすい物件」を提案してもらえる不動産会社を選びましょう。大手の賃貸サイトなら、取扱い物件数が多く、条件に合った物件を見つけやすいです。

→ 賃貸サイトおすすめ比較はこちら(記事2)


よくある質問(FAQ)

Q. 入居審査に落ちた理由は教えてもらえる?

A. 基本的に、審査に落ちた具体的な理由は教えてもらえません。保証会社から不動産会社への回答は「承認」か「否認」のみで、理由の開示義務はありません。ただし、不動産会社の担当者が経験から「おそらくこの理由ではないか」と推測してくれることはあります。管理会社も否認理由の詳細は知らされていないのが実情ですが、過去の傾向からアドバイスできることは多いです。

Q. 審査に落ちたら他の物件にも影響する?

A. 同じ保証会社でなければ影響しません。保証会社間で審査結果が共有されることは基本的にありません(LICC加盟会社間の家賃滞納情報は共有されます)。別の保証会社を使う物件であれば、まっさらな状態で審査を受けられます。

Q. 年収はどうやって確認される?

A. 主に以下の書類で確認されます。
– 会社員:源泉徴収票、給与明細(直近3ヶ月分)
– 個人事業主:確定申告書(直近2〜3期分)
– 転職直後:内定通知書、雇用契約書

年収を自己申告するだけの物件もありますが、保証会社によっては収入証明の提出を求められます。

Q. 保証人なしでも審査に通る?

A. 通ります。最近は保証会社の利用が一般的になっており、連帯保証人なしで契約できる物件が多数あります。ただし、一部の物件では「保証会社+連帯保証人」の両方を求められるケースもあります。

Q. 同棲やルームシェアだと審査は厳しくなる?

A. 物件によります。「二人入居可」の物件であれば問題ありません。ただし、婚約中でない同棲カップルの場合、大家さんが「すぐ別れて退去するのでは」と懸念するケースもあります。入籍予定がある場合はその旨を伝えると好印象です。

Q. 外国籍でも審査に通る?

A. 通ります。ただし、追加書類が必要になることが多いです。在留カード、在留資格の確認、日本語でのコミュニケーションが可能かどうかなどが見られます。日本人の連帯保証人や、外国籍の方に対応できる保証会社を使うことで通過率が上がります。


参考:信用情報機関の公式サイト

ご自身の信用情報は、各機関で開示請求ができます。

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まとめ:入居審査は「事前準備」で結果が変わる

入居審査に落ちる理由は主に以下の5つです。

  1. 収入と家賃のバランスが悪い
  2. 過去の滞納歴・信用情報に傷がある
  3. 雇用形態が不安定と判断された
  4. 連帯保証人が弱い
  5. 申込み時の印象・態度

大切なのは、自分の状況を正直に不動産会社に伝えることです。隠したり偽ったりするよりも、正直に相談したほうが、担当者は審査に通りやすい物件や保証会社を提案しやすくなります。筆者自身、正直に事情を話してくれた方には「なんとか通したい」と思って動くことが多いです。

こんな状況なら やるべきこと
収入が不安定 預貯金審査・確定申告書の準備
過去に滞納歴あり 独立系保証会社の物件を選ぶ
無職・転職直後 代理契約・内定通知書の提出
連帯保証人がいない 保証会社のみでOKの物件を探す
審査に一度落ちた 保証会社を変えて再チャレンジ

物件探しの段階から、提携保証会社の選択肢が多い不動産会社を選んでおくと、審査落ちのリスクを減らせます。

次のステップ
まずは取扱い物件数の多い賃貸サイトで、自分の条件に合う物件を探してみましょう。

→ 賃貸サイトおすすめ比較を見る(記事2)


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