「入居審査の結果、まだ来ないけど落ちたのかな……」
賃貸物件に申し込んだ後、審査結果の連絡を待つ時間は不安ですよね。ネットで「落ちる時は連絡が早い」という情報を目にすると、余計にそわそわするのではないでしょうか。
この記事では、賃貸管理会社で勤務し宅地建物取引士の資格を持つ筆者が、賃貸の審査に落ちたら連絡はいつ届くのかを管理会社の視点から解説します。
「連絡が早いと落ちた証拠?」「何日待てばいい?」「落ちた後どうすればいい?」といった疑問を現場の実務経験をもとにお答えします。
賃貸の入居審査に落ちたら連絡はいつ来る?
結論からお伝えすると、審査結果の連絡は通常2〜3営業日が目安です。ただし入居者に直接連絡が来るわけではありません。審査結果は以下のルートで伝わります。
保証会社 → 管理会社 → 仲介会社(不動産屋) → 入居者(あなた)
保証会社からの審査結果は、住居の場合は当日〜翌営業日に届くことがほとんどです。しかし、仲介会社を経由してあなたに届くまでに、さらに1〜2日かかることが多いです。
つまり、あなたが「連絡が遅い」と感じていても、管理会社ではとっくに結果が出ているというケースは珍しくありません。
賃貸の入居審査は、主に家賃保証会社が行います。保証会社が「OK」か「NG」かを判断し、その結果を管理会社に伝えます。
管理会社はその結果を確認し、オーナー(大家さん)の了承を得てから仲介会社に連絡します。そして最終的に、仲介会社からあなたに結果が伝えられるのです。
このように最低でも3つの会社を経由するため、どこかで連絡が止まるとタイムラグが生まれます。
「審査に落ちると連絡が早い」は本当?ケース別の日数目安
「審査に落ちる場合は連絡が早い」という話をよく聞きますが、これは半分本当で、半分は嘘です。
連絡が早いケース(即日〜2日)
以下のケースでは、保証会社の審査がすぐに終わるため、連絡が早い傾向にあります。
- 信用情報にキズがある場合: 過去にクレジットカードやローンの滞納があると、保証会社のデータベースで即座にNGとなります
- 収入基準を明らかに満たしていない場合: 家賃が月収の3分の1を超えているとき
- 同じ保証会社で過去にトラブルがあった場合: 以前の物件で家賃滞納し、保証会社が代位弁済した記録が残っているケース
管理会社には、こうしたケースだと申込当日〜翌日に結果が届くことが多いです。
連絡が遅いケース(3日〜1週間以上)
一方で、以下のケースでは連絡が遅くなります。
- 提出書類に不備がある: 収入証明の不足、本人確認書類の期限切れなど
- 在籍確認の電話がつながらない: 保証会社が勤務先に電話しても、何度かけてもつながらない
- 大家さん(オーナー)と連絡がつかない: 保証会社の審査は通ったものの、大家さんの最終判断が得られない
- 繁忙期(1月〜3月): 申込が殺到し、保証会社も管理会社も業務が立て込んでいる
- 連帯保証人や緊急連絡先への確認が取れない: 保証人に確認の電話がつながらないケース
1週間以上連絡がないのは危険信号?
1週間を超えても連絡がない場合、落ちたとは限りません。
ただし、5営業日を超えたら仲介会社に状況を確認しましょう。「急かすようで申し訳ない」と遠慮する方もいますが、仲介会社にとって確認の連絡は日常的なこと。気にせず問い合わせて大丈夫です。
管理会社の中の人が教える「連絡が遅くなる本当の理由」
ここからは、管理会社で働いている立場だから言える、ネット上ではあまり語られない裏事情をお伝えします。
仲介会社が結果を伝えるのを後回しにしている
実はこれが、連絡が遅くなる最も多い理由のひとつです。
仲介会社(不動産屋)は、物件の契約が成立してはじめて仲介手数料を受け取れます。つまり、審査に落ちた入居者への連絡は「売上にならない仕事」なのです。
管理会社から仲介会社には結果をすぐに伝えていても、仲介会社が成約見込みの高いお客様の対応を優先してしまうことがあります。
仲介会社の怠慢というよりも、限られたスタッフで多くのお客様に対応する中で、どうしても優先順位がついてしまうという事情です。
大家さんが判断を保留しているケース
保証会社の審査は通ったのに、大家さんが最終判断を出さないケースもあります。
「もう少し良い条件の入居者が来るかもしれない」と大家さんが考えている場合に起こりやすいです。特に人気物件では複数の申込が入ることがあり、比較検討しているうちに時間が経ってしまいます。
保証会社が追加確認をしている
保証会社が勤務先への在籍確認を行う際、電話がつながらないと審査が進みません。
特に小規模な会社や個人事業主だと、代表電話に出られないことも多く、数日かかる場合があります。緊急連絡先の家族に保証会社から電話がいき、不審に思って応答しないケースも実際にあります。
審査に落ちたらどんな連絡が来る?伝え方のパターン
実際に審査に落ちた場合、どのような形で連絡が来るのでしょうか。
最も一般的なのは、仲介会社からの電話です。「大変申し訳ありませんが、今回は見送りとなりました」のように伝えられます。
最近ではメールやLINEで結果を伝える仲介会社も増えています。簡潔なメッセージで審査結果が送られてくるパターンです。
注意したいのが、理由は基本的に教えてもらえない点です。仲介会社に聞いても「保証会社の判断です」としか言われないことがほとんどでしょう。
また、残念ながら「何の連絡もない」ケースも存在します。仲介会社によっては、審査落ちの連絡をせずに自然消滅させてしまうところもあるのが現状です。1週間以上連絡がない場合は、自分から確認を入れましょう。
管理会社の立場から補足すると、管理会社から仲介会社へは審査落ちの理由もある程度伝えています。しかし、仲介会社から入居者には「理由は言えない」とされることが多いのです。
審査に落ちた理由は教えてもらえる?法的な根拠
「なぜ落ちたのか教えてほしい」と思うのは当然です。しかし、法律上、審査落ちの理由を開示する義務はありません。
- 宅地建物取引業法(宅建業法): 仲介会社に義務づけられている「重要事項説明」は契約前の物件情報に関するもので、審査結果の理由説明は含まれません
- 個人情報保護法: 保証会社が審査で利用した情報は、各社のプライバシーポリシーに基づいて管理されます。審査基準は「営業秘密」にあたるため、開示されません
- 信用情報機関への開示請求: 自分の信用情報は確認できます。CIC(シー・アイ・シー)やJICC(日本信用情報機構)に開示請求すれば、滞納履歴の有無を確認可能です
つまり、「なぜ落ちたか」は教えてもらえないが、「自分の信用情報がどうなっているか」は自分で確認できるということです。
審査に落ちた後にやるべき5つの対処法
審査に落ちても、あきらめる必要はありません。具体的な対処法を紹介します。
1. まずは仲介会社に理由を聞いてみる
法的な開示義務はありませんが、仲介会社の担当者がヒントをくれる場合はあります。
「収入面で厳しかったようです」「保証会社の基準に合わなかったようです」といった、やんわりとした説明をしてくれることも。直接聞いてみる価値はあります。
2. 自分の信用情報を確認する
心当たりがない場合は、信用情報機関に開示請求をしましょう。
| 機関名 | 確認できる情報 | 開示方法 | 費用 |
|---|---|---|---|
| CIC | クレジットカード・ローンの履歴 | ネット・郵送・窓口 | 500円(ネット)〜1,500円(郵送) |
| JICC | 消費者金融・ローンの履歴 | ネット・郵送・窓口 | 1,000円 |
| KSC | 銀行ローンの履歴 | 郵送のみ | 1,124〜1,200円 |
過去のクレジットカードの支払い遅延が原因で、知らないうちに「異動情報」が記録されていたというケースは意外と多いです。
3. 保証会社の種類を変えて再申込する
保証会社には大きく3つのタイプがあり、審査基準がそれぞれ異なります。
| 種類 | 特徴 | 審査の厳しさ | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 信販系 | 信用情報を照会する | 厳しい | オリコ、ジャックス、エポス |
| 協会系(LICC) | 加盟会社間で滞納情報を共有 | 中程度 | 日本セーフティー、全保連 |
| 独立系 | 独自の基準で審査 | 比較的緩い | フォーシーズ、日本賃貸保証 |
信販系で落ちた場合でも、独立系なら通る可能性があります。
管理会社は通常、複数の保証会社と提携しています。仲介会社を通じて「別の保証会社で再審査できませんか」と相談してみてください。
4. 収入証明を追加で提出する
収入面が理由で落ちた可能性がある場合、以下の書類を追加提出すると再審査を受けられることがあります。
- 預貯金残高証明書: 家賃の1〜2年分の貯蓄があることを証明
- 確定申告書の控え: 副業収入がある場合
- 給与明細の直近3ヶ月分: 源泉徴収票だけでは伝わらない月収の安定性を証明
5. 別の物件で審査に通りやすい条件を探す
同じ物件への再申込が難しい場合は、別の物件を探しましょう。以下の条件だと審査に通りやすくなります。
- 家賃を下げる: 月収の3分の1以内に抑える
- 大家さん直接管理の物件: 保証会社を使わない物件もあります
- UR賃貸住宅: 保証人不要・保証会社不要で、一定の収入基準を満たせば入居可能
- 公営住宅: 自治体が運営する住宅で、収入が低い方でも入居しやすい
審査落ちの連絡を待つ間にやっておくべきこと
今まさに審査結果を待っている方は、以下を進めておくとスムーズです。
- 別の候補物件もリストアップしておく: 万が一に備えてすぐ動けるように。ただし複数物件への同時申込はトラブルの原因になることがあるので注意
- 必要書類を揃えておく: 収入証明、身分証のコピー、住民票など。再申込に備えて事前に用意
- 信用情報の開示請求をしておく: 不安な方は結果を待たずに先に確認
- 仲介会社に確認する日を決めておく: 目安は申込から5営業日。それまでに連絡がなければ問い合わせましょう
よくある質問(FAQ)
Q: 審査に落ちたら申込金や預かり金は返ってくる?
A: はい、全額返還されます。
審査が通らなかった場合、契約は成立していないため預けたお金は返ってきます。宅建業法第47条の2第3項では、申込みの撤回等に伴う預り金の返還拒否を禁止しています。もし返金されない場合は、都道府県の宅建業免許の窓口に相談しましょう。
Q: 審査に落ちたことは次の物件に影響する?
A: 基本的に影響しません。
保証会社が異なれば、前回の審査結果は共有されません。ただし同じ保証会社や、LICC(全国賃貸保証業協会)に加盟する保証会社同士では情報が共有されている場合があります。
Q: 無職でも賃貸の審査に通る方法はある?
A: いくつかの方法があります。
- 預貯金残高で審査を受ける(家賃の2年分が目安)
- 収入のある親族に代理契約してもらう
- UR賃貸住宅を利用する(預貯金基準あり)
- 内定証明書を提出する(就職予定の場合)
Q: 審査落ちの連絡が来る前にキャンセルできる?
A: はい、可能です。
賃貸借契約は審査通過後に締結されるものです。審査中の段階では契約は成立していないため、いつでもキャンセルできます。キャンセル料もかかりません。
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まとめ
賃貸の審査に落ちた場合の連絡について、ポイントを整理します。
- 審査結果の連絡は通常2〜3営業日が目安
- 「落ちると連絡が早い」は必ずしも正しくない。連絡経路のどこかで止まっている可能性がある
- 5営業日を超えたら仲介会社に確認してOK
- 審査落ちの理由は法律上、開示義務なし。ただし信用情報は自分で確認可能
- 保証会社の種類を変えれば通る可能性あり。独立系は比較的審査が緩い
審査に落ちたからといって、賃貸物件を借りられないわけではありません。保証会社を変える、収入証明を追加するなど、できることはたくさんあります。
この記事が、審査結果を待つ不安の解消に少しでも役立てば幸いです。
※この記事の情報は2026年4月時点のものです。法律や制度の改正により内容が変わる場合があります。具体的なケースについては、専門家にご相談ください。
